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住み替えの最適なタイミングとは?  売買順のメリット・デメリットも 2024.01.05

大きなお金が動く持ち家の住み替えは、人生のイベントの一つです。それだけに失敗しない最適なタイミングを見極めたいと考えている人も多いのではないでしょうか。本記事では、住み替えの最適なタイミングや売買の順番、注意すべきポイントなど、詳細を説明しています。
 住み替えのタイミングや売買の手順で迷っている人は、ぜひ記事内容をご確認ください。新生活の計画をたてる際に参考になれば幸いです。

住み替えを考えるきっかけは?

 賃貸の住み替えなら資金は必要ですが、持ち家の住み替えほど大変ではありません。売却から購入まで、手続きが大変な住み替えを選ぶきっかけには、どのようなものがあるのでしょうか。
 国土交通省「平成30年度住生活総合調査」による、直近5年間での住み替え理由は次の通りです。

1  通勤・通学の利便(35.1%)
2  広さおよび部屋数(21.4%)
3  世帯からの独立(単身赴任、離婚などを含む)(18.2%)
4  新しさやきれいさ(16.2%)
5  結婚による独立(14.1%)
6  住居費の負担の軽減(13.2%)
7  家族等との同居・隣居・近居(11.8%)
8  使いやすさの向上(10.8%)
9  日常の買い物・医療などの利便(10.3%)
10  子育てのしやすさ(9.3%)

 住み替えを考えるきっかけは、家族が増えたことによる住みにくさや、通勤通学の都合など、世帯ごとの環境の変化が上位を占めています。
 新築購入時のような夢や希望に後押しされて家を手にいれる状況とは違い、必要に迫られてというシーンが多いようです。
 タイミングを見計らっているほど悠長な状況はないかもしれませんが、差し迫った状況の中でもより良い住み替え時期のタイミングを考えてみましょう。
出典:国土交通省「平成30年度住生活総合調査

住み替えを考える最適なタイミング

 住み替えはどの段階で検討すると良いのでしょうか。最適とされるタイミングを3つ、紹介します。

・住宅ローンの金利が低いとき
・建物がまだ築浅のとき
・住宅ローン控除の上限年数に合わせる

住宅ローンの金利が低いとき

 住宅ローンを使って新しい家を買う場合、できれば金利が低いタイミングで決めたいところです。ローンの返済年数が長ければ長いほど、低金利のお得さが際立ちます。
 例えば、2,000万円を20年で返済する計画で住宅ローンを組んだ場合、金利が0.5%では金利込みの総返済額は21,020,826円です。
 金利が1%になると総返済額は22,074,926円となり、0.5%と比べると差額は1,054,100円にまで拡大します。
 低金利のタイミングを見計らうのは難しいですが、金利差は返済額に大きな影響を与えることを認識しておきましょう。

建物がまだ築浅のとき

 住み替えの検討を始めたら、決断はできるだけ早い方が良いです。家は築年数が経つにつれて資産価値が下がってしまいます。買い手をスムーズに見つけるためにも、1年でも早く売りに出したいところです。
 建物自体に資産価値がある間の住み替えは、住み替えに適したタイミングと考えて良いでしょう。
 家の売却費用を新しい家の購入資金に充てたい場合、5年〜10年以内であれば資金計画がスムーズに進みます。
 一般的に家の価値は新築時から下がり始め、30年後には土地の価値だけになると言われています。したがって、できるだけ築浅で売却した方が売却益を期待でき、買い手も見つかりやすいです。

住宅ローン控除の上限年数に合わせる

 住宅ローン控除は、借り入れ額3,000万円(2024・2025年居住開始の場合は2,000万円、控除期間新築10年)を上限として、住宅ローンを使ってマイホームを購入したときに、年末のローン残高に準じて所得税を取り戻せる制度です。
 住宅ローン控除の期間は新築で13年、中古住宅は10年です。控除期間を待って住み替えのタイミングとする考え方もあります。
 新築13年以降にすぐ売却をすると、不動産市場の買い手は比較的見つかりやすいでしょう。タイミングに迷う場合、住宅ローン控除を判断ポイントにする考え方も有効です。

家の売却と購入の最適なタイミングとは?

 新しい家の購入や古い家の売却タイミングは順番やタイミングによって、それぞれメリットやデメリットがあります。売り先行や購入先行、同時進行それぞれのメリットやデメリットを紹介します。

・購入と売却のタイミングは同時進行が望ましい
・売り優先時のメリット・デメリット
・購入優先時のメリット・デメリット

購入と売却のタイミングは同時進行が望ましい

メリット ・短期間で住み替えが完了する

・経済的な負担は最小限に抑えられる
デメリット ・売却と購入のタイミングを見計らう手間がかかる


 購入と売却を同時進行できれば住み替えは短期間で完了します。余分な時間がかからず、生活への影響が少ないため、もっとも理想的な流れです。
 しかし、実際に購入と売却が同時にすすむことは少ないと考えておいた方が良いでしょう。買い手が見つかっても良い購入物件が見当たらないこともありますし、その逆もありえます。
 契約のために多くの書類を集めつつ、購入と売却の契約を進めるのは至難の業です。焦って不利な条件で契約してしまうことも考えられます。

売り優先時のメリット・デメリット

メリット ・家の売却代金を新しい家の購入代金に充当できる
デメリット ・売却のタイミング次第では仮住まいが必要

・売り急いで損をしてしまう可能性もある


 売りを優先して進めるメリットは、家の売却代金を新しい家の購入費用に充当できる点です。
一方で、先に家を売却した後に新たに住む家を探すとなると、一時的な仮住まいが必要です。一時的に仮住まいに住む場合、家賃や諸費用、2回の引越しと手間や費用がかかるデメリットがあります。

購入優先時のメリット・デメリット

メリット ・こだわって新居を探すことができる
デメリット ・家の売却代金をローンの頭金にできない


 先に新しい家を買って、後々売却先を探す方法では、新居をこだわって選べるメリットがあります。仮住まいの必要はないため、焦って新しい家を探す必要はありません。
 一方、先に家を買ってしまうと、売却代金を新しい家の購入費用に充当できない点はデメリットです。
 結果として、一時的とはいえ2つの住宅ローンを支払う状態が発生してしまいます。売却先がすぐに見つからないと、2つのローンを支払い続ける期間は長くなります。

住み替えを考える時の注意点

 住み替えを考える時に事前に検討しておきたい注意点を4つ、紹介します。

・住み替え費用など必要資金を十分に検討する
・市況をよく把握し最適な売り出し価格を決める
・住宅ローンの仮審査も同時に進めておく
・スケジュールには余裕を持たせておく

住み替え費用など必要資金を十分に検討する

 戸建てやマンションなどすでに持ち家がある場合、事前に必要なお金を把握しておく必要があります。住み替えの際に発生する主な費用は次のとおりです。

・現在の住宅ローン残債の精算費用
・税金や手数料などの諸経費
・新しい家を買うための自己資金

 新しい家を手に入れるための資金や現在の家のローンの精算が主な費用です。家を売却した時点でローンの残債は一括精算しなければいけません。
 その他、仲介手数料や税金、仮住まいの検討が必要な場合は、家賃や引越し費用なども必要です。ローンの残債の金額にもよりますが、自己資金が少ない住み替えをする場合、慎重な検討が必要です。
 住み替えに必要な費用を正確に把握しておかないと、当初の予定は大幅にズレてしまいます。資金計画がズレてしまうと、自己資金を投入することになります。検討していた家の購入費用を下げざるを得なくなるケースもあるため、最初の段階でよく注意しておきましょう。

市況をよく把握し最適な売り出し価格を決める

 不動産市況は日々動いており、売れ筋の価格も変動します。相場に沿った適正な売り出し価格はスムーズな取引には欠かせません。
 適正な売り出し価格を設定するため、まずは相場を正しく把握しましょう。相場よりも価格が高すぎると売れにくくなります。また、安すぎると本来得られるはずの売却益が得られずに損をしてしまい、新しい家のための資金の用立ても難しくなります。
 売り出し価格を手軽に知りたい場合、まずは不動産会社のWEBサイトでできる机上査定を利用してみましょう。具体的な売却価格が知りたい場合は、訪問査定を依頼します。

住宅ローンの仮審査も同時に進めておく

 住み替えをスムーズに進めたい場合、先に住宅ローンの仮審査を済ませておきましょう。住宅ローンの仮審査は、住む家が決まっていない状態でも申し込むことができます。おおよその借り入れ可能額を把握できるため、新しい家探しの予算を立てやすく、効率的な物件探しができます。
 理想の家を見つけても、いざ審査に通してみたらダメだった、となってしまうと家探しのやる気が大幅に削がれてしまい、理想の住み替えからは遠ざかってしまいます。

スケジュールには余裕を持たせておく

 住み替えのスケジュールには余裕を持たせましょう。家の売却や購入が全て思い通りに進むとは限りません。
 売却が思うように決まらずにダブルローンとなってしまったり、売却できても新しい家が見つからず仮住まいとなってしまったりすることも考えられます。
 スケジュールにある程度余裕があると、売却を焦って売却額を下げてしまうような事態は避けられます。
 また、妥協して新居を選んでしまうようなこともなくなります。住み替えスケジュールのシミュレーションはあらかじめ行っておきましょう。

まとめ

 住み替えには最適なタイミングがありますが、実際には差し迫った状況で住み替えを迫られるケースが多く、タイミングを見計らうのは難しいケースも多々あります。
 差し迫った状況でも、できる限り最善のタイミングで住み替えを進めたいところです。高額な取引になるため、焦ってしまうと後々大きな後悔を残すことになります。
 売買の順番はそれぞれにメリットとデメリットがありますので、状況に応じて最適な選択をしましょう。