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【初心者必見】不動産を相続したらどこに相談すべき?依頼先の選び方 2024.10.03


  • ・土地や建物を相続したときにまずやるべきことはなに?
  • ・不動産相続について悩んだらどこに相談すればいいの?
  • ・不動産相続でよくあるトラブルってどのようなものがあるの?

ここでは不動産を相続したけれどどうすれば良いのか悩んでいる方へ、知っておきたい基本知識を含め、おすすめの相談先とよくあるトラブル、解決策などを解説します。

この記事でわかること

  • 〇不動産相続の基本知識
  • 〇不動産相続の相談先
  • 〇不動産相続でよくあるトラブルと解決策
  • 〇不動産相続をスムーズに進めるポイント

不動産相続の基本知識

不動産を相続したものの、何をしなければならないのか、売るにはどうしたらいいのか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

土地や建物は固定資産に該当するため、ただ所有しているだけでも税金が発生します。

不動産を相続した人がまず知っておくべき基本知識を解説します。

不動産相続でかかる税金の一覧

不動産を相続することで、相続税・登録免許税・固定資産税・都市計画税が発生します。

相続税とは、被相続人の財産の総額(評価額)が基礎控除額を上回った場合に課税される税金です。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」になりますので、法定相続人の数によって基礎控除額が異なります。

登録免許税とは、被相続人から相続人に名義変更する相続登記の手続きで発生する税金です。

固定資産税は不動産を保有し続けると発生する税金で、固定資産税評価額に対して標準税率1.4%で算出しますが、住宅用地の軽減税率など様々な軽減措置があります。

都市計画税も不動産を保有し続けると発生する税金ですが、原則として都市計画が指定されている市街化区域内の土地や建物に課税されます。固定資産税評価額に対して標準税率0.3%で算出されますが、住宅用地については、評価額を3分の1にするなどの軽減措置があります。

複数人で1つの不動産を相続するリスク

複数の相続人で不動産を引き継ぐとその不動産は「共有名義」になります。土地や建物のように物理的に分割が難しい財産を共有名義で相続することはあまりおすすめできません。

理由は3つあります。

・全員の合意が必要

まず共有名義の不動産を売却・運用・解体するためには、基本的に共有者全員の合意が必要で、一人でも反対する人がいるとスムーズな活用ができません。

・分配が難しい

次に、固定資産税の支払いは代表者に請求されるため、非協力的な共有者がいたり、共有者の健康状態や経済状態の悪化などにより、金銭的な負担が一部に偏る可能性もあります。

・共有者が死亡するリスク

最後に、共有名義の状態を放置したまま共有者が死亡すると、さらに相続が発生して共有関係が複雑化し、財産の管理・利用が難しくなります。

このように、複数人で1つの不動産を相続すると上記のようなデメリットがあるため、相続人が複数いるのであれば不動産をどのように相続するのか検討しなければなりません。

不動産相続の相談先とその役割

不動産相続について相談するのであれば、相続したあとの不動産をどうするのかによって相談先が異なります。

税理士・弁護士・司法書士・不動産会社に相談するべきケースをそれぞれ解説します。

税理士

相続税について相談したいときは、税理士がおすすめです。

相続税の計算はご自身でもできますが、相続人の数が多かったり、控除を受けられる措置がある場合など、専門的な知識が必要になるケースもあります。

ただし、一概に税理士といっても法人や個人事業主などのビジネスに関する税務から相続などの個人の財産に関する税務まで業務は多岐にわたります。

相続税に関して相談するのであれば、相続税を専門的に取り扱っている税理士に問い合わせをしてみてください。

弁護士

不動産相続の遺産分割について相談するなら、弁護士が良いでしょう。

土地や建物のように分割ができない財産を相続する場合、相続人の代表者が単独所有するか不動産を売却して現金を分配するかなど話し合いが必要です。

しかし、相続人間での話し合いは、年齢や関係性などによって全員が自由に意見を出し合える状況にない場合があります。

そこで、専門家である弁護士が第三者として仲介役になると、相続人それぞれの意向を聞きながら遺産の分割ができるようになります。

一般的な法定相続人と法定相続分の関係は、配偶者と子供はそれぞれ1/2、配偶者と直系尊属は配偶者が2/3で直系尊属は1/3、配偶者と兄弟姉妹は配偶者3/4で兄弟姉妹は1/4です。

弁護士であれば、法律の観点からアドバイスをしながら全員が納得する遺産分割をサポートしてくれます。

また、遺産分割協議書を作成することにより、協議書にそった相続登記が可能となり、後々トラブルに発展するリスクを低減することもできます。

司法書士

不動産相続の遺産分割協議、名義変更等について相談したいことがあるときは、司法書士がおすすめです。

名義変更の手続きは、専門知識がなくても法務局に相談すれば登記官が説明してくれるため、ご自身でも手続きできます。

しかし、法務局に行く手間や書類作成にかかる時間を節約するのであれば司法書士に相談してみてください。

2024年4月から名義変更(相続登記)が義務化されたため、必ず相続登記を済ませなければなりません。

また、遺産分割協議では、弁護士同様に法律的な視点から相続人たちの遺産を受け取る割合や協議書の作成等についてのアドバイスがもらえます。

最終的に取り決めた遺産分割協議の内容は、書面として作成する必要があり、後々問題を生じない協議書を作成するためにも司法書士に任せると安心です。

不動産会社

相続した不動産の売却を含めた活用全般については、不動産会社に相談しましょう。

不動産会社に相談すると、相続した不動産が「いくらで売れる可能性があるか」を査定してくれます。

査定額に納得できれば不動産会社と媒介契約を締結し、相続した不動産を市場に出して購入希望者を探せます。また、あわせて売却方法についても最適な方法を提案してくれます。

査定基準は不動産会社によって異なるため、複数の不動産会社に査定を依頼して相場を見たうえで、信頼できるところと契約することも大切です。

なお、ご自身の判断でリフォームや解体はせずに、まずはそのままの状態の物件を査定してもらってから、不動産会社にアドバイスをもらうことをおすすめします。

なお、多くの不動産会社は相続税などに関する一般的な説明や対策、税理士の紹介、遺産の分割方法や協議・協議書作成の仕方、法律家の紹介などを行ってくれます。まずは不動産会社に相談してみるのも近道かもしれません。一般的にこれら相談に費用はかかりません。

不動産相続におけるトラブルと解決策

不動産相続は個人の財産に影響があるからこそ、さまざまなトラブルが起きがちです。

ここでは、よくあるトラブルとその解決策について解説していきます。

一人の相続人が独占しようとしている

比較的年齢の高い世代に起こりがちなトラブルですが、「長男だから」などの理由で一人で不動産を相続すると主張するケースがあります。

昔の考え方で「家を継ぐ長男が実家の財産をすべて受け取るべき」と、他の相続人との遺産分割協議に参加せずにいると、話し合いが難航します。

現代の法律において相続権は性別や年齢を問わず全員が平等(法律に定められた割合で相続する権利を有します)です。

他の法定相続人が同意しない限りは、一人で財産をすべて相続することはできないため、一人に独占されてしまうリスクはありません。

とはいえ、全員の合意がなければ不動産を有効に活用できないため、必要に応じて法律家(司法書士や弁護士)又は家庭裁判所に相談してください。

相続した不動産を放置していて空き家になっている

相続した不動産をどうするべきか話し合いをあと回しにしていると、ついつい空き家のまま放置する期間が長くなってしまいます。

なかには「思い出の詰まった実家を手放したくない」との気持ちで誰も住んでいない空き家の状態で放置されるケースも見られます。

少子高齢化が進む日本では空き家問題が深刻化しており、空き家が老朽化して倒壊の恐れが生じたり、ゴミの投棄や不審者の立ち入りなどで近隣住民に迷惑がかかる状態になると行政指導の対象となります。

さらに、行政指導を無視し続けると、行政の判断で代執行(解体)が行われることもあるため、相続の発生後は早めに協議を行い、適切に対処することが大切です。

賃貸するか、相続人の誰かが住むなどして空き家にならないように対処できないのであれば、売却も視野に入れておきましょう。

不動産評価額が高くて相続税の支払いができない

不動産を相続した場合、相続人の預貯金等から相続税を支払わなければなりません。

土地や建物の価値(評価額)は億単位になることもあるため、その相続税は大きな負担になりえます。

高額な不動産を多く所有している親族から相続する場合、必ず相続税の問題が発生します。

被相続人が生前から生命保険に加入するなど準備ができていて、保険金で相続税が支払えるような場合や、借入や財産の分散、持ち替えなどにより相続財産を圧縮してあるような場合は安心です。

しかし、多くはそのような対策は講じられていません。相続が視野に入ってきたら、相続人も専門家に相談してできる対策を講じておくことをおすすめします。

相続税の支払いが難しいのであれば、相続した不動産を売却し、その代金で相続税の支払いをする方法も検討してみてください。

不動産相続をスムーズに進めるポイント

不動産相続をスムーズに進めるには、前倒しで準備を始めて、必要に応じて専門家に依頼するのがポイントです。

相続で必要になる作業は、大きく分けて「遺産分割協議」「名義の変更(相続登記)」「相続税の確定申告(と納税)」の3つです。

相続した不動産を共有名義にするとトラブルのもとになるため、被相続人が生きているときから売却・維持・運用・解体など、どうするべきかを話し合っておきましょう。

話し合いが難航したときは、弁護士に相談するのがおすすめです。

2024年4月から相続登記が義務化されているため、できるだけ早く手続きを済ませてください。

相続登記についての相談は、司法書士がおすすめです。

不動産の評価額によって相続税の金額が確定するため、早めに計算を済ませて翌年の確定申告の期間中(2月16日〜3月15日)に必要書類を添えて確定申告してください。なお、被相続人が一定規模以上の事業主の場合、順確定申告も必要になりますので、税理士や不動産会社なのに相談してみてください。

計算方法や確定申告の記載方法がわからないときは、税理士に相談しましょう。

まとめ:不動産相続の相談先選びのポイント

土地や建物などの不動産は分割が難しい財産だからこそ、預貯金や金融商品と比べると相続のときにトラブルが起こりやすい。

不動産の相続でわからないことがあれば気軽に専門家に問い合わせをして相談しましょう。

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